安心して自分の想いや考えを言える主権者教育に向けて
昨日は、朝早くに家を出て、福島へ。
県の教育センター主催「社会科・地理歴史科・公民科の主権者教育の授業づくり講座」において、「主権者意識を育成する学習指導の意義と指導法」と題して話をさせていただきました。
参加されたのは、県内の中学校、高校、特別支援学校の先生方。
<未来の有権者を取り巻く現状><18歳選挙権を踏まえての主権者教育から見えてきたこと><海外の主権者教育><主権者教育のこれからの方向性>について話しましたが、7月の参院選を振り返りながら「参院選を振り返り、どのような主権者教育ができそうか」といったアイディア出しや、「”主権者””民主主義”に関わるキーワード出し→キーワードを活用した主権者教育のあり方」のディスカッションなど、ワークを挟みつつの2時間はあっという間でした。
さっそく、感想が送られてきましたが、
・主権者教育は、選挙のしくみを教えるだけではなく、こどもの自己肯定感などを育む上で大切なことがわかった。実際にこどもの意見をとり上げていくことが必要だと思った。
・模擬選挙の実施時期は、選挙結果が出てからでも扱うことができるということなので、適切な時期に適切なねらいを設定して実践してみたい。
・防犯マップ作りの事例のように、地域のことをまとめて自分たちで提言する取組など、地域と関わるための方法が具体的にイメージできた。
・社会科だけでなく、他の教科や学校全体の教育活動を通して、主権者教育ができることのついて学ぶことができた。
というように、主権者教育=選挙体験、というイメージが根強い中、色々な場面で主権者教育は取り組めることであり、かつ、取り組むことが大事だということが伝わったようです。
また、講演そのものは午前中でしたが、午後は、県立ふたば未来学園中高の先生の事例報告と、参加者による演習もあり、そちらにも参加してきました。
数学×政経、英語×政経による主権者教育の実例は、興味深かったです。
演習では、普段の学校生活に”主権者教育という意識”を盛り込む、ということを重視して実際に主権者教育の指導案を作成しました。
「部活動における効率・公正なグラウンドの使い方」「裁判員制度のメリット・デメリットを考えよう」「消費行動につながる、環境にやさしい商品とは?」「消費税増税を踏まえた、税の適正配分のあり方」など、すぐにでも活用できそうな指導案が発表されました。
いずれにしても、生徒自身が、安心して自分の考えや意見を言えること、多様な考えに触れること、他者との関わりの中で自分の考えを深めていくこと、といった経験を積み重ねていくことが大事であり、そうした場を、教育現場は丁寧に作って欲しいと思います。
« 安心して話し合う機会を学校現場が創らないと、自己表現できない人ばかりを生み出してしまうという危機感を、教育関係者は意識すべきではないか。 | トップページ | 2020年4月1日から、浦和大学社会学部に着任します。 »
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