コスタリカ視察報告(3)~親子連れでテレビ局、博物館、電気店で模擬選挙!
コスタリカの模擬選挙は1980年代くらいから取り組まれているようです。選挙が行われるのは2月最初の日曜日と決まっているのですが、この時期、学校は長期休み(2月10日頃から新学期)でもあり、学校で模擬選挙が行われるのではなく、民間組織が好き勝手に取り組んでいます。私が見学したのは2箇所で、1つはテレビ局(チャンネル7/民放で、人気のあるテレビ局)で、もう1箇所は子ども博物館でした。
↑タブレットで投票する女の子(チャンネル7)
テレビ局では、敷地外の駐車場に特設ブースを設け、タブレットで投票できるようにしていました。今回は7000人以上の子どもが投票し、投票するとアナウンサーと写真を撮ったりしていました。
↑人気があるらしい、チャンネル7のタレント?と
また、子ども博物館は、実際の選挙で使用する投票用紙に似せた投票用紙に投票する方法で、模擬選挙が行われていました。1700人弱の投票がありました。
↑子ども博物館で投票する男の子。どの保護者も、子どもが投票している姿を写真に撮っていました。
投票に来ていた子に投票した理由を伺ったところ「この人を選ばないと戦争になってしまうとお父さんが話していたから(6歳・女)」「家族のために活動するよ、と言っていたから(5歳・男)」「お父さんとお母さんが投票した人と同じ人に投票した(9歳男)」など、色々と考えているようでした。
↑投票所の受付は長蛇の列。でも、誰も文句を言わず、むしろ投票できることにワクワクしている雰囲気。
また、いずれの場所でも親子連れで投票に来ていたので、保護者にも感想を伺ったところ「政治に対する動機付けになるから良いと思う(母)」「すごく重要な取り組み。民主的なプロセスを小さい時から学び、自分の意見を子ども時代から言えることは大事(母)」「非常にすばらしいこと。大きくなってから責任を果たせるようになると思う(父)」「(自分とは異なる候補者に投票した、という子どもについて)周りの意見に左右されないことは良いこと(父)」というように、まさに親子で、政治や選挙について日頃から考えたり話していることを感じました。
↑親子にヒアリング。
コスタリカの模擬選挙は、これら以外にも、家電量販店GOLLOゴジョが約130店舗で実施し1.3万人が投票するなど、各地で取り組まれています。
*Teletica Canal 7
https://www.teletica.com/185310_elecciones-infantiles-de-teletica-convocaron-a-cientos-de-ninos-de-todo-el-país
これまで、模擬選挙は、アメリカ、ドイツ、スウェーデンで視察をしてきましたが、これらの国では学校で模擬選挙の取り組みがされていました(ドイツの場合は、学校で行うものと、児童館/ユースセンターで行うものの2団体)。
コスタリカの場合は、学校が長期休み中ということもあり、学校では取り組まれず、学校外で、しかも、各団体・企業が好き勝手に取り組んでいます。
そして、そうした模擬選挙に、親子で投票しにいくことが当たり前とのこと。
お国柄と言えばそれまでですが、子どもの時から、親が子どもともに選挙や政治について話すことのハードルがほとんどなく、身近なんだということを、他国以上にコスタリカでは感じました。
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