コスタリカ視察報告(2)~子どもも選挙運動ができるコスタリカの選挙
↑投票所の様子。コスタリカでは、投票所内でも自由に撮影ができます(もちろん、記入済みの投票用紙を撮影することはできません)。
コスタリカでは、4年に1度、大統領選挙・国会議員選挙(57議席)が行われます。大統領選挙・国会議員選挙ともに再選が認められていないため、現職の大統領や国会議員は立候補することはできません。
つまり、今回の選挙で当選した方は、次回の選挙に立候補できず、別の方が立候補するので、交互に立候補することになります。
日本では、衆議院議員選挙において、小選挙区と比例区の立候補を交互に行うことを「コスタリカ方式」と言いますが、このような、コスタリカの立候補の仕方を知った森・元総理が「コスタリカ方式」と名づけたそうです。ただしコスタリカ人は、「コスタリカ方式」とは言わないそうです。
大統領制のため、大統領は国会議員を兼任することはできません(国会議員経験者が大統領になることは可能)。また、国会議員選挙は、政党名による完全比例選挙です。
↑投票用紙。白いほうが大統領選挙、青いほうが国会議員選挙。支持する候補者・政党の欄にチェックを入れる。
そして憲法で、4割以上の議員は女性とすることが定められているため、各政党の候補者リストは、男女を交互に掲載することとなっています。
コスタリカの成人年齢は18歳で、18歳から投票することができますが、立候補できるのは21歳以上のコスタリカ国籍がある人で、政党に所属していなければなりません。
2000年までは2大政党の争いでしたが、2000年以降は政党が複数出てきて、以後、どの政党も議会における過半数を占めていません(そのため、連立を組む必要がある)。
選挙運動には特に定めがなく、日本のように選挙カーも時々走っていますが、基本的には、支持者が自分の車に支持する政党の旗を立てたり、クラクションを鳴らしたりしてアピールしています。
また、テレビ局では長時間、候補者によるディベートが行われていました。
選挙期間中は、政府機関である選挙最高裁判所が、候補者を集めた討論会を選挙最高裁判所内のホールで実施したり、投票所に行くことができない方がいる刑務所や高齢者施設に出向いて、投票の機会を設けるなどしています。
投票日当日も選挙運動ができるので、投票所(公立の小学校・中学校が投票所になる)の入り口前で、各政党が政党ブースを出し、投票しに来た人にアピールをしていました。
↑各政党の支持者が、投票所前で投票を呼びかけるためのテント
何より驚いたのが、日本のように「18歳未満の選挙運動禁止」ということはなく、子どもであっても選挙運動している、ということ。親子で支持政党が異なることも普通にあるようでした。
↑選挙運動をする小学生と。彼が応援している候補者は、子どもたちに人気があるとのこと。
また、投票所では、投票所内の案内役として小中学生のボランティアがいました。
子どもの時から選挙を身近に感じる工夫をしています。
なお今回の大統領選挙の投票率は65パーセントくらいでしたが、20年前には80パーセントだったそうです。
若者は政治を通して社会を変えていく意識があるため投票率が高いそうで、むしろ政治不信が強い35-40歳代の投票率が他の世代よりも低くなっているとのことです。
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