「模擬選挙」だけが「主権者教育」ではない~その1
公職選挙法が改正となり、18歳選挙権となってからまもなく1年が経ちます。
2016年7月の参院選が18歳選挙権最初の国政選挙ということもあり、新たに有権者となる18-19歳、特に「18歳の高校生」に対する「主権者教育」として、「模擬選挙」「模擬投票」が大きく取り上げられました。
2002年2月の町田市長選挙以降、実際の選挙を題材にした「模擬選挙」の推進に取り組んできた私としては、「模擬選挙」が大きく取り組まれるようになったことには、隔世の感がありました。
そうした中での18歳選挙権時代到来で、空前の「模擬選挙ブーム」となりました。
ただ、その一方で、【「模擬選挙」だけが「主権者教育」?】という批判も色々と聞こえてきました。
そもそも、「生の政治」を学校現場で取り組むことが忌避されていた中で、選挙の時くらい、その町で生きている未来の有権者が、自分の町の未来について学び、考え、意見交換すべきではないか、という思いで始めたのが模擬選挙。
もちろん、模擬選挙以外にも魅力的な主権者教育のプログラムはたくさんあります。そうした模擬選挙以外の教育に取り組めるのであれば、取り組めばよいだけのこと。模擬選挙がすべてだとは私は考えていません(そんなことを発言したことも、考えたこともありません)。
ただ、模擬選挙すら取り組めてなく、そもそも、これまで主権者教育が後回しとなっていたことを考えると、とにかく模擬選挙なら取り組めるのであれば、初めの一歩を踏み出して欲しいと思いますし、模擬選挙を批判するのではなく、主権者教育に取り組んできていなかったことを批判すべきでしょう。
とはいえ、「模擬選挙」と言いながらも、「デザート選挙」だったり、「歴史上の人物を選ぶ」だけだったりと、単なる「投票体験」が「模擬選挙」という名称で取り組まれていたのも事実であり、そうした「投票体験」を批判する文脈で「模擬選挙批判」がされていたのも事実です。
ちなみに私自身は、
・模擬選挙=実際の選挙を題材にして投票を行う取り組み
・模擬投票=歴史上の人物や、好きな食べ物・動物などを題材にして投票する、いわゆる投票体験
というように分けて考えていますが、別にこれは、文科省や総務省、明るい選挙推進協会などが定義しているわけでもないため、混在し、整理されないまま、「模擬選挙」「模擬投票」という言葉が使われていたりもします。
そのうえで、模擬選挙だけで良いのか、という問い自体も大事だったりもします。
というわけで、イベント案内です。
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J-CEFスタディ・スタヂオTOKYO<TOKYO vol.6>
「主権者教育=『模擬選挙』でいいの??
都議選での主権者教育授業体験から考える」
■日時:2017年6月27日(火)19時〜21時(開場:18時45分)
■会場:東京大学本郷キャンパス医学部1号館S309(最寄駅:本郷三丁目駅)
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_02_02_j.html
■テーマ:主権者教育=『模擬選挙』でいいの??
■話題提供者:中央大学4年 POTETO 古野香織さん
■主催:日本シティズンシップ教育フォーラム(J-CEF)
■詳細
https://www.facebook.com/jcef.jp/photos/a.458152074253480.1073741825.430078743727480/1345613745507304/?type=3
■申し込み先 info@jcef.jp
以下の申込フォームに必要事項を記入したものを、上記メルアドに送信してください
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J-CEFスタディ・スタヂオ 申込フォーム
*メール件名:J-CEFスタスタ申込(お名前○○○○)
・お名前:
・ご所属:
・メールアドレス:
・参加会場;TOKYO
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皆さんのご参加、お待ちしています!!
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