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2016/02/19

18歳選挙権時代における「政治教育」「主権者教育」に対する先生方の不安や悩み、質問への回答 その3

18歳選挙権時代における「政治教育」や「主権者教育」に対する、先生方から出てくる質問や悩みへの回答。

今日は、その3です。

---
(7)生徒から、「先生はどのように考えているのか」といわれた場合、どのように対応をしたらよいか

→文科省が昨年10月末に示した「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について(通知)」では、
「学校は、教育基本法第14条第2項に基づき、政治的中立性を確保することが求められるとともに、教員については、学校教育に対する国民の信頼を確保するため公正中立な立場が求められており、教員の言動が生徒に与える影響が極めて大きいことなどから法令に基づく制限などがあることに留意することが必要」
と書かれています。

なんだかんだいっても、教員の一言は、生徒に影響を及ぼすのは事実です。

もちろん、教員も一人の市民として、主権者として、有権者として、考えや意見を持っています。

ただ、その教員の思いを伝えること以上に、生徒が安心して自分の意見を言えるようにすることが大事であり、そのためには、教員が自分の意見を話す前に、まずは生徒の声に耳を傾けることが大事です。(前回も同じことを書きました)

また、日本の選挙は「秘密投票」であり、誰が、どの政党・候補者に投票したのかは、誰しも秘密が守られます。話す必要はありません。

ですから、生徒から「先生はどのように考えているのか?」と言われた場合は、「私(=教員)が自分の意見を生徒の前で話すと、生徒の考えに影響を及ぼす可能性があるので話せない」と素直に話せばよいと思います。

その上で、生徒からさらに意見を求められた場合は、、、

「さすがに授業中に話すことはできないので、授業が終わった後に、職員室(社会科室)に来て話そうか」「放課後、このテーマについて話してみようか」というように、授業時間外で生徒とディスカッションをする場をもってはどうでしょうか。


(8)思わず自分の考えを話してしまったが、それは、処分されるのか

→「思わず」が数回であれば問題ないでしょう。ただ、それが、何十回も続くようであれば、「意図的」とみなされるおそれがあります。

何度も言いますように、「教員の一言は、生徒に影響を及ぼすのは事実」なのです。


(9)学校で取り組む政治教育について、保護者や地域、議員に対して、どのように説明を行えばよいか

→どんな教育を行っているのか、不安を抱いていたり、あるいは関心を持っている方もいらっしゃると思います。

むしろ、知らせないことは、不安や疑心暗鬼を引き起こしかねません。

ですから、学級通信や学年通信、保護者会、あるいは学校のウェブサイトなどを通して、積極的に知らせていくことが大事です。

また、授業参観や学校公開日などで、保護者や地域の方が、実際に学校現場で取り組まれている政治教育を参観したり、触れることができる機会を設けることは効果があります。

実際、模擬選挙を、「学校公開週間」に実施した高校もありました。このときは、その高校受験を考えている中学3年生も見学をしていました。そうすることによって、受験生にとっても、取り組み内容を知ることができます。

さらに、政治教育そのものを、生徒だけで行うのではなく、たとえば模擬選挙や政策比較などを行う際に、保護者や地域の方にも参加を呼びかけて実施する、ということも効果があります。
生徒にしてみれば、友達同士で話し合うのも大事ですが、それだけではなく、地域の中で生活している多様な方々と意見交換を行うことは刺激的であり、多様な意見と出会う機会になります。
そしてまた、そうした話し合う場を設けることによって、教員は中立的にかかわることができるようになります。

もちろん、特定の政党の支持者や、宗教団体関係者などが大勢を占めることは避ける必要がありますので、参加される方の属性を確かめることは大事であり、事前に参加を呼びかける際に、文書できちんと明示するなどしておくことが必要になります。


なお、議員については、特定の議員や政党のみに働きかけることは避けなければなりません。
もちろん、全議員が参加するように調整することは、日程の関係でできないことがあります。ただし、最初から特定の人のみに声かけするのは問題がありますので、まずは、全議員(あるいは、学校所在地の選挙区内の議員)に呼びかけることが大事です。

ちなみに、議員への呼びかけにおいては、国会議員を招く場合は、現在の選挙制度の関係で、複数の政党から招くことは手間がかかります(衆議院議員の場合、小選挙区ですし、場合によっては、その県内すべてが同じ政党の議員が占めている場合があります)。

であれば、国会議員ではなく、小中学校であれば市町村議員、高校であれば都道府県議会議員、というように、地方議会議員を招いたほうが、多様な政党・バックグラウンドを持つ議員になります。
なお、議員を学校に招くことについては、学校から直接議員に働きかけることもできますが、中立性との兼ね合いから、議会事務局などに依頼をし、議会事務局側で議員の人選などをしてもらったほうが良いでしょう。

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