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2012/09/30

ますます求められる「子どもの社会参画」と、自分自身の歩む道

土日と、「地方自治と子ども参加 全国自治体シンポジウム2012」に参加しました。

1日目の昨日は、尾木ママこと尾木直樹さんの講演&シンポジウム。
尾木さんの講演では、「共感的対話」というのが強く印象に残りました。

昨日のツィッターにも書きましたが、「共感しあうことでストレスを感じない」「子どもにも共感できる心を作る」。まさにその通りで、子どもを認める、子どもの話を受けとめることによって、子どもは安心し、身構えていた心を開くことにつながるのだと思います。

この<子ども>を<相手/他者>と置き換えても同じことで、これは<子ども>と向き合う時のことだけではなく、私たちおとな自身も、相手と向き合うときに必要なことであり、同じことではないでしょうか。

「子どもの言っていることが分からない」「子どもがわがままばかり言う」と、よく言われますが、そもそも子どもと向き合っている私たちおとなは、子どもの心に共感しようと思っているのだろうか。一人の人間として、向き合っているのだろうか。

どうしても<身構え>て話を聴いたり、あるいは<おとなとしての上から目線>になっていたり。

それでは子どもも安心して話すことはできないなぁ、と。

それは何より、今日参加した「自治体における子ども参加」の分科会でも感じたことです。

分科会には、世田谷区から「ユースミーティングせたがや」の高校生および大学生(サポーター)、神奈川県から「特命子ども委員/特命子ども地域アクター」の高校生、川崎市から「川崎子ども会議」の小学生、中学生、高校生、大学生(サポーター)、杉並区からは「ゆう杉並」のOBなどが参加し、午前中は、それぞれの活動紹介や、参加しての気づき、行政への要望や課題などについて話していただきました。

午前中の部のコーディネーターを今回、務めていたのですが、「参加してよかったこと」を尋ねたら、皆さん、「意見が言いやすい」「自分らしい意見を言っても理解してもらえること」という声。まさに、「共感しあえる仲間」がいるからこそ、心地よく、自分の意見を言えるのだと感じました(一昨年まで関わっていた杉並区の「ユースプロジェクト杉並」の中高生も、同じようなことを言っていたのを思い出しました)。

「学校でもそうした話をする?」と尋ねたら、「学校ではしない」ということもあり、やはり、学校と、こうした団体の雰囲気・仲間意識は異なるのだと思いました。

そしてまた、神奈川県では、県の青少年問題協議会の平成22・23年度の審議テーマが「地域で育む子どもの社会性~子どもの社会参画をすすめるために~」となったことで、当事者である子どもの視点を最終報告に反映させることから事業が始まり、公募・面接で任命された中高生とともに、地域で子どもの社会性を育むための10の視点を設けたとのこと。そして平成24年度は、内閣府の新しい公共支援事業を活用して、子どもの社会参画の機会を創りだす事業として地域アクターにNPO法人とともに取り組んでいて、子どもの声を事業に反映させる機会となっています。

世田谷区では、区の「子ども・青少年問題協議会」が設置した小委員会の関連組織として、ユースミーティング世田谷を設置し、中高生を中心に、区の子ども計画に対して意見を反映するための会議を重ねてきています。報告書をまとめ、青少年問題協議会に対して提言するなど、オーソライズされた仕組みとなっています。

川崎市は、いわずとしれた「川崎市子どもの権利条例」(2001年4月施行)に基づき、地域おける子どもが主体的に社会参加し、意見を表明することを目的としたのが川崎市子ども会議で、小学生から高校生までが毎月集まって川崎市政に対する提言を年度末に市長に提案しています。

分科会で子どもたちから「報告書をまとめて提出したけど、どのように処理されたのか分からない」「市長の反応がイマイチよく分からない」「提言内容が実現できないなら“無理”とはっきり言って欲しい」など、彼らの要望からは、先進的な取り組みであっても、まだまだ課題があることがよく分かりました。

またそれぞれ特色があり、「子ども参加」と一口に言っても神奈川県、川崎市、世田谷区、それぞれ異なりますし、今日の報告以外にも、子ども議会や子ども権利条例作成への子ども参加、さらには、環境分野や国際分野などでの子ども参加もあったりして千差万別です。

さらに言えば、単に「子どもが参加をして提言した」というだけにとどまらずに、政策形成過程への子ども参加を進めるにはどうしたらいいのか。

これまでの「青少年育成大綱」を廃して、2010年7月に新たに政策文書化された「子ども・若者ビジョン」においては、「子ども・若者の個人としての尊厳を重んじ、発達段階に応じてその意見を十分に尊重する」「子ども・若者と大人がお互いに尊重しあいながら、社会を構成する担い手として共に生きていくことを目指す」(「5つの基本理念」より)ということが明記されました。

また、現在、議論中の、文科省の中央教育審議会においては、「家庭や学校において、未来の有権者たる子どもたちに、主権者として国や社会の問題を自分の問題として捉え、自ら考え、自ら判断し、行動する力を育成する実践的な取組を通じて、社会参画を促すとともに、国家・社会の責任ある形成者としての自覚を育むことが求められる」(中教審教育振興基本計画部会 8月『第2期教育進行基本計画について(審議経過報告)』より)ということが議論されています。

つまりは、子どもたちであっても主権者であり、主権者として社会参画していく機会は必要だということを、国家レベルでも当然のこととして位置づけています。

とはいえ、そもそも「共感的対話」が、対子どもにしても、対おとなにしても十分ではない現状においては、いくら理念としては理解できていたとしても、子どもの社会参画をそう簡単にすすむものではないということを、改めて感じてもいます。


そうした中で、私としては、子どもも主権者であることを当然のこととして、当事者である子どもたちの声をもっと聴き、それぞれの自治体の取り組みを類型化し、また、海外事例にも触れることを通して、「子どもの社会参画」そのものの促進につながる実践&調査研究の道に進んでいきたいという思いを強く抱きました。

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